上部内視鏡検査(胃カメラ)
上部内視鏡検査(胃カメラ)

胃カメラ検査

上部内視鏡検査(胃カメラ)について

胃カメラ検査は、口や鼻から内視鏡を入れる検査で、食道や胃の状態を詳細に調べることができます。これにより、胃がんの早期発見や胃・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染などの診断が可能です。
当院では、オリンパス社のGIF-1200Nという細径スコープを用い、苦痛の少ない検査を心がけています。また、ご希望の方には適量の鎮静剤を使用し傾眠状態でリラックスしたまま検査を受けることができます。

こんな症状のある方に胃カメラ検査をお勧めします

  • みぞおち付近に違和感がある
  • 食後に胸やけすることがある
  • 食事の際に喉の辺りがしみる
  • 吐き気がする
  • 胃の辺りが痛い
  • 何度も下痢を繰り返す
  • 便秘がちだ
  • 血を吐いたことがある
  • 黒い便が出てきた
  • 体重が減ってきた
  • タバコを吸っている
  • お酒を飲み過ぎることがある
  • 便潜血検査で陽性となった

など

胃カメラ検査の流れ

1検査前日の注意点
  • 夕食は軽めにしましょう
  • 夕食は検査前日夜9時までに済ませてください(それ以降の飲食は禁止です)
  • 水は飲んでも大丈夫です

2検査当日
(ご自宅などでの注意点)
  • 検査が終わるまで食事を摂ることはできません
  • 水以外の飲みもの(ジュースなど)、タバコも禁止となります
  • お薬の服用も禁止です(病気などでお薬を服用中の方は、事前にご相談ください)
  • お腹を締め付けない楽な服装で来院してください

3検査準備
  • 身に付けている時計や眼鏡、入れ歯、コルセットなどは外してください
  • 口紅などの化粧品も取ってください
  • 胃の中をきれいにするため、消泡剤を飲みます(飲み方はスタッフがご説明いたします)

4検査の開始
  • 喉に麻酔薬をスプレーしてから、マウスピースを装着します
  • 鎮静希望の方は鎮静薬を静脈投与します
  • マウスピースの間に内視鏡を通して検査が始まります
  • 検査中は、肩の力を抜いてリラックスを心がけてください

5消化管の状態を確認
  • 担当医は、挿入した内視鏡の先端にある撮像器を通して食道や胃の状態を確認します
  • 検査時間は10分程度です

※組織採取やポリープ切除を行ったときは、もう少し時間がかかることもあります


6検査後の注意点
  • 鎮静薬を用いて検査を行った場合、検査後30分~1時間ベッドで休んで頂く必要があります
  • 鎮静薬を用いて検査を行った方は、当日は車の運転をお控えください(翌日からは運転可能です)
  • 飲食は、検査終了後1時間以上経過してからにしてください
  • ただし、組織採取などを行ったときは、刺激のある食事や飲酒は避けるようにします

ピロリ菌検査と除菌治療について

ピロリ菌は胃内に住む細菌で、胃酸にも耐える性質があります。小児期にピロリ菌感染が生じて、長い年月をかけて胃炎が進行していき、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌は除菌治療によって除去が可能です。治療は胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を服用しピロリ菌を除菌します。一次除菌が失敗した場合は、薬を変更して二次除菌を試みます。
除菌に成功することで、胃がんリスクを大幅に軽減できますが、完全に防ぐことはできません。そのため、除菌後も定期的に胃カメラを行い、胃の健康状態を定期的に確認することが大切です。

大腸カメラ検査

下部内視鏡検査(大腸カメラ)とは

大腸カメラ検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸内を直接観察する検査です。これによって大腸がんや大腸ポリープなどの病変の有無を確認することができます。また、病変の一部の組織を採取して、顕微鏡で調べる生検や、ポリープを切除する内視鏡的治療も可能です。
検査前には、大腸内をきれいにするための下剤を服用いただきます。検査中は、鎮静剤を使用することでリラックスした状態で受けていただけます。

大腸癌のリスクと検診

大腸癌の原因は完全には解明されていませんが、飲酒、喫煙、肥満、動物性脂質の多い食事などがリスク因子とされています。現在、日本人において大腸癌は非常に身近な癌となっており、定期的な検診が重要です。便潜血反応は、日本で推奨されている検査方法で、便中の血液成分に反応することで進行した癌を見つけることができます。便潜血検査で陽性の場合は、大腸カメラ検査が推奨されますが、前癌病変である10mm以上のポリープに対する陽性率は約30%と低いため、毎年の便潜血検査が勧められます。

内視鏡検診の有効性

内視鏡検診は日本では推奨されていませんが、海外ではその有効性が報告されています。米国では45歳以上の人に大腸内視鏡検査が推奨されており、1回の検査で10年間の大腸癌死亡率が約半減したとの報告もあります。また、日本においても3年ごとの内視鏡検査が大腸癌の発生リスクを1/5に減少させるとされています。ポリープを切除することで、癌の予防効果が期待されます。

当院では、大腸カメラ検査を通じて皆様の健康をサポートしています。症状が気になる方や検診を考えている方は、ぜひご相談ください。

こんな症状のある方に大腸カメラ検査をお勧めします

  • 血便が出てきた
  • 便秘や下痢などが続いている
  • お腹の痛みが治まらない
  • 腹部膨満感がある
  • 貧血を指摘されている
  • 顔色が悪いと言われる
  • 体重が急に減少した
  • 便潜血検査で異常を指摘された
  • 大腸ポリープや大腸がんを治療したことがある

など

大腸カメラ検査の流れ

1検査前日の注意点
  • 検査前日の食事は消化の良い物とし、午後8時までに済ませてください
  • 午後8時以降の食事は慎んでください(水やお茶の摂取は問題ありません)
  • 眠前に下剤を服用します。

2検査当日の注意点(来院前)
  • 検査当日は検査終了まで絶食になります
  • 水分については、コップ一杯程度の水やお茶であればかまいません
  • 常用薬の服用の可否については、ご予約時に説明いたします
  • 検査時に鎮静剤をしますので、ご自身の運転(車・バイク・自転車 など)によるご来院は控えてください
  • 大腸をきれいにするため、約2リットルの下剤を数回に分けて飲みます。排便を繰り返し、便の色が透明になれば、検査の準備が整ったことになります。

3来院後の流れ(検査の準備)
  • 検査前に鎮静剤と腸の緊張を和らげる薬を静脈注射します
  • 外科手術に一般的に用いられる麻酔のように強力なものではなく、医師などからの呼びかけに反応することもできます

4内視鏡を挿入(検査の開始)
  • 身体の左側を下にしてベッドに横になります
  • その態勢で肛門から内視鏡を挿入していきます

5大腸内部を観察
  • 内視鏡カメラの映像はモニターに映し出されます
  • この映像を見ながら大腸の内部を隅々まで観察します
  • 必要がある場合は、生検やポリープ切除を行います

6検査の終了
  • 通常は数十分で検査は終了します
  • 症例によって時間が延びることもあります
  • 検査後は30分~1時間ほど休みます

7検査後
  • 通常、飲食は1時間後から可能です
  • 検査当日のお風呂はシャワー程度にしてください
  • 車の運転は禁止です
  • 強度の運動は避けてください
  • 検査終了後、気になる症状がある方は、すぐに医師までご相談ください
  • 生検やポリープ切除を行った場合は、注意点を説明します

大腸内カメラで発見される主な病気

  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 炎症性腸疾患
  • 潰瘍性大腸炎
  • 大腸憩室症
  • 虚血性腸炎

など